患者の動きに沿って、担当と情報を確認する
外国人患者への対応を準備するときは、「英語が話せる職員がいるか」だけでなく、患者がどこで何を確認し、次に誰へつながるかを見ます。予約の案内が伝わっても、診療中に必要な言語支援へつながらなければ、別の準備が必要です。
この記事は院内で話し合うための整理案です。受け入れ体制の認証や法令への適合を判定するものではありません。実際の手順は、施設の責任者と担当部門で確認してください。

来院前:公表する案内と対応範囲をそろえる
ウェブサイトや電話で案内する内容を一覧にします。予約方法、診療時間、持参するもの、支払い方法、希望言語を伝える方法について、院内の現在の対応と一致しているかを確認します。
「英語対応」と記載する場合は、どの時間帯に、どの業務で、どのような支援が使えるかまで院内で認識をそろえます。すべての診療を常時英語で受けられると誤解される表現は、実際の体制に合わせて直します。

受付:本人確認、希望言語、担当者への連絡
本人確認は施設の手順に沿って行い、希望言語と利用できる支援を確認します。受付担当者が医学的な判断まで担う前提にはせず、症状に関する対応が必要な場合に連絡する医療従事者と方法を決めておきます。
書類を渡すだけで終わらず、記入する場所、提出先、次に待つ場所を案内できるかも練習します。受付の英語練習では、その順序に沿った例を紹介しています。
診療・検査・同意:必要な言語支援を組み込む
説明を担当する医療従事者、使用する資料、言語支援の依頼先を確認します。通訳を利用する際の連絡方法、利用できる時間、費用などは、採用するサービスと施設の条件に照らして整理します。
診療や同意に関わる説明は、単語の翻訳や署名だけで完結させず、施設の手順に沿って質問と理解を確認します。職員が自分で説明を続けてよい範囲も、英語力の自己申告だけで決めないようにします。

会計・帰宅時:個別の情報と連絡先をそろえる
会計では、個別に確認した費用や支払い方法を案内し、保険の適用などを一般論だけで約束しないようにします。医学的な帰宅後の指示や再診の判断は担当する医療従事者が確認し、患者に渡す書面と口頭説明の内容をそろえます。
通常の問い合わせ先と、院内で定めた緊急時の案内を混同しないことも確認項目です。患者が次にすることや連絡方法を説明できるかを確かめ、分かりにくい点は説明し直します。方法の参考はAHRQのteach-back資料です。
院内で一枚の確認表を作る
| 場面 | 決めること | 練習で確かめること |
|---|---|---|
| 予約・来院前 | 公表する対応範囲と案内の担当者 | ウェブの説明と実際の受付が一致するか。 |
| 受付 | 本人確認、言語の確認、担当者への連絡方法 | 聞き返されたときも次の行動を案内できるか。 |
| 診療・検査 | 説明担当者、資料、言語支援の依頼先 | 支援が必要になったとき連絡先が分かるか。 |
| 会計・帰宅時 | 個別の説明内容と書面、問い合わせ先 | 渡す書面と口頭説明が一致するか。 |
| 振り返り | 資料の更新責任者と確認日 | 改善点を誰がいつ修正するか。 |
実在する患者の記録を持ち込まず、架空の来院場面で受付から会計まで一度通してみます。会話が止まった箇所を、英語表現、資料、連絡手順、役割分担に分けて記録してください。英語研修に渡す課題と、施設内で決める課題を分けられます。
公的資料を院内の運用に合わせて確認する
- 厚生労働省:外国人患者を受け入れる医療機関のためのマニュアル — 院内準備を検討する際の参照先。
- 厚生労働省:外国人向け多言語説明資料 — 診療申込書や問診票などの公開資料。
- AHRQ:Use the Teach-Back Method — 説明が伝わったかを確認する方法。
資料はそのまま配る前に、現在の院内手順や個別の内容に合うかを担当者が確認します。公開資料があること自体を、施設の対応が完了した根拠にはしないようにします。
院内の準備と英語研修をつなぐ
確認表で見つかった課題を整理し、案内文や職種別の英語練習について相談しましょう。
医療機関向けの英語対応支援を見る資料の確認日:2026年10月1日。確認表と練習手順はBeyond作成。