【医療関係者のみなさまへ】
外国人患者受け入れ
の準備はできていますか?
更新: 2026-03-13
多くの医療関係者のみなさまは、 ご自身の病院で外国人患者を受け入れた経験をお持ちでしょう。 ではその際、 外国人患者の対応で苦労した経験はありませんか? 特にコミュニケーションの問題は、 医療の現場で顕著となっています。 現場で働いている方々は、 英語習得の必要性を強く感じていることでしょう。
英語を習得することは、 外国人患者をスムーズに受け入れることができるようになるだけではなく、 医療関係者として働く人々の現場での混乱を回避することにもつながります。 この機会に、 医療と英語の関係性を見つめ直してみませんか?
(この記事は外国人患者対応に関する最新情報をもとに更新しています)
日本を訪れる外国人旅行者の推移
まず初めに、 COVID-19前の外国人旅行者の推移をみてみましょう。
(日本観光局「訪日外客数」を参考に筆者が作成)
2015年から2019年まで、たったの5年間で訪日外国人の数はおよそ2千万人〜およそ3千万人にまで増加しています。
また、2018年から2019年までの年次推移は下記の表の通りです。灰色は2018年を、赤色は2019年を表しています。
(出典 : 日本政府観光局)
2025年の年間訪日外客数は42,683,600人となり、2024年の36,870,148人を上回って過去最多を更新しました。
国別に見てみると、特に中国・フィリピン・ベトナムからの観光客が急増しており、中国は14.5%増の959万4300万人、フィリピンは21.7%増の61万3100人、ベトナムは27.3%増の49万5100人となっています。
パンデミック後の訪日需要はすでに大きく回復し、2025年には訪日外客数が4,200万人を超えました。観光地だけでなく、地域の医療機関でも外国人患者への対応力がより重要になっています。
英語でのコミュニケーションの必要性は、観光業界だけでなく医療業界にも強く求められているのです。
外国人患者の医療機関の受診状況
続いては、外国人患者の医療機関における受診状況についてみていきましょう。
まず、厚生労働省が平成30年に行なった下記の調査結果をご覧ください。
(厚生労働省外国人患者受け入れ体制に関する厚生労働省の取組より)
2020年についての予測は、不測の事態により正確ではありませんでしたが、日本政府とその省庁は、日本の観光客や外国人居住者の大幅な増加を予想していたことは明らかです。 その理由の一つは、現在急速に悪化している労働力不足にある可能性があります(健全な経済成長を維持したり、高齢労働者が退職した際、その穴を埋めるだけの十分な若者がいない)。 理由はさておき、訪問者、一時労働者、永住者を問わず、日本の外国人の数は放物線的に増加すると合理的に予想できると言っても過言ではありません。
出入国在留管理庁によると、令和7年末の在留外国人数は412万5,395人となり、初めて400万人を超えました。観光客だけでなく、日本で生活する外国人への医療対応も、今後さらに重要になると考えられます。
また、平成27年厚生労働省は、全国の1,710の医療機関に対し医療機関における外国人旅行者および在留外国人受け入れ体制などの実態調査を行いました。
厚生労働省の令和6年度調査では、都道府県が選出する「外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関」の約9割の病院で、外国人患者の受け入れ実績があったと報告されています。外国人患者数を実数で把握している244の医療機関のうち、25.4%、およそ4つに1つの医療機関は21名〜100名の外国人患者を受け入れたことがあると回答しました。(下記の図を参照)
(厚生労働省外国人患者受け入れ体制に関する厚生労働省の取組より)
一方、日本人の医療機関受診人数の目安を知るために、厚生労働省による「病院報告」をみてみましょう。下記の表は、平成30年12月〜平成31年2月までの「1日平均外来患者数」と「在院患者数」を表したものです。
1日平均患者数 | |||
| 平成31年2月 | 平成31年1月 | 平成30年12月 |
外来患者数 | 1,349,412 | 1,285,409 | 1,307,197 |
在院患者数(総数) | 1,269,125 | 1,243,316 | 1,226,039 |
(厚生労働省 病院報告を参考に筆者が作成)
全国の医療機関では1日平均およそ130万人の外来患者が、およそ120万人の在院患者がいることが分かります。
日本人患者と外国人患者を同じようにサポートするためには、外国人患者への受け入れ体制を整えていく必要があるでしょう。
在日外国人の
日本の医療に関する意識調査
訪日外国人は増加の一途を辿り、現時点で数多くの外国人が日本の医療機関を利用しています。では、実際の現場では外国人患者との間にどのようなトラブルが生まれ、外国人患者は日本の医療に対してどのような意識を持っているのでしょうか?
「厚生労働省 外国人患者受け入れ体制に関する厚生労働省の取組」によると、8割以上の医療機関が外国人患者の受け入れに関して言語や意思疎通の問題に課題を感じていることが分かります。
(出典 : 厚生労働省 外国人患者受け入れ体制に関する厚生労働省の取組 筆者が作成)
また、日本看護科学会が日本の医療を経験したことのある外国人を対象に行なったインタビューによると、在日外国人は日本の医療に対して下記のような感想を持っていました。
カテゴリー | 内容例 |
受診システムが分かりにくい | 貼り紙が多すぎて必要な情報が分からない |
自分の症状を伝えるのが難しい | 日本語が話せないと医師や看護師に症状を伝えることが難しい |
医師が十分に対話してくれない | 医師の説明は曖昧でアドバイスもなく診察を早く終わらせたい感じがする |
壁を作られて向き合ってもらえない | 外見で日本語ができないと決めつけられている |
患者一人ひとりの文化的背景が注目されていない | 入院生活のルールの存在は刑務所みたいだが仕方ない |
馴染みのない「暗黙の了解」に戸惑う | 病院では声を潜めて日本人のように静かにしなければならない |
病気のことは看護師に頼れない | 診察中、看護師は医師の指示通りで何も主張しない |
英会話と医療英語の学習
訪日外国人や在留外国人の増加により、医療現場では外国人患者とのコミュニケーション力がますます重要になっています。受付・問診・検査説明・会計など、現場で必要な英語表現を身につけることは、患者対応の安心感を高めるうえでも大切です。
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